制限能力者と第三者の保護
制限能力者と第三者の利害が衝突する場合があります。
例えば、制限能力者の取消しと取消前の第三者との関係です。
通常の取引であれば、取消前の第三者は民法96条第3項で保護されます。
ところが行為能力の制限によって取消すケースでは、制限能力者の保護を優先します。
いろいろ考え方はあるかと思いますが、制限能力者の保護を優先すべきという価値判断が働いていると考えるのがわかりやすいと思います。
一方、制限能力者と取消後の第三者との関係では登記(民法177条)で先に登記をした方が保護されます。
制限能力者に登記を要求するのは酷ではないのかという批判がある一方で、不動産取引の画一的処理を重視するとこの結論はやむを得ないという見解が有力です。