権限外の行為の表見代理(民法第110条)
民法第110条
「前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。」
要件は、
(1)基本代理権が存在すること
⇒法定代理権も含みます
(2)代理人が権限外の行為をすること
(3)相手方に正当理由があること
です。
110条が出てきたら761条を思い出す癖をつけておくといいと思います。
判例は、「夫婦の一方が日常家事の範囲外の行為をした場合、当該法律行為が当該夫婦の日常家事の範囲内の法律行為に属すると信ずるにつき正当の理由がある場合、110条の趣旨を類推して相手方を保護する」と考えています。(最判昭44.12.18)
110条の直接適用を否定しつつ、110条の趣旨を類推という法律構成により、相手方を保護しています。