退職時等の証明(労働基準法第22条)
労働者が退職した際、労働基準法第22条第1項に基づき証明書を使用者に請求した場合、使用者は遅滞なくこれを証明する必要があるが、その証明書には請求の有無にかかわらず、退職の事由を記載しなければならない。
賃金支払いの原則(労働基準法第24条)
労働基準法第24条第1項においては、賃金は、通貨で支払わなければならないと規定されているが、同項ただし書きにおいて、法令に別段の定めがある場合、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合又は厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払うことができると規定されている。
休業手当(労働基準法第26条)
派遣中の労働者について、当該労働者派遣契約が派遣先の事業場の事情によって中途で解約された場合においても、労働基準法第26条の休業手当の規定の適用については、同条の「使用者の責めに帰すべき事由」があるかどうかの判断は、派遣元の使用者についてなされる。
1か月単位の変形労働時間制(労働基準法第32条の2)
労使協定を締結し、労働基準法第32条の2に規定するいわゆる1か月単位の変形労働時間制を採用する場合、使用者は、当該協定を行政官庁に届け出なければならず、就業規則その他これに準ずるものにより同制度を採用する場合も、事業場の規模を問わず当該就業規則その他これに準ずるものを行政官庁に届け出る必要がある。
フレックスタイム制(労働基準法第32条の3)
フレックスタイム制においては、始業及び終業の時刻を、対象となる労働者の決定にゆだねているところから、フレックスタイム制を採用する事業場においては、使用者は対象労働者については、各労働者の各日の労働時間の把握を行う必要はない。
1年単位の変形労働時間制(労働基準法第32条の4)
使用者は、労働基準法別表第1第13号の保険衛生の事業のうち常時10人未満の労働者を使用するものについては、1週間について44時間、1日について8時間まで労働させることができる。また、この特例の下に、1か月単位の変形労働時間制、フレックスタイム制及び1年単位の変形労働時間制を採用することができる。
休憩(労働基準法第34条)
保健衛生の事業については、労働者に休憩を一斉に与える必要はないので、満18歳に満たない労働者についても、特段の手続きをしなくても、休憩時間を一斉に与える必要はない。
休日(労働基準法第35条)
週2日の所定休日を定める事業場でその2日とも休日労働させた場合、労働基準法上、休日労働に関し、3割5分以上の割増賃金の支払いが必要とされるのはそのうち1日のみであり、残る1日の賃金については、就業規則の定め等の当事者の合意に委ねられる。
時間外及び休日の労働(労働基準法第36条)
毎年1月1日から年末までの1年間を有効期間とする、労働基準法第36条の規定に基づく時間外労働・休日労働に係る労使協定(以下「36協定」という。)を締結し、所轄労働基準監督所長に届け出た場合において、当該36協定に協定の有効期間についての自動更新条項がある場合には、翌年からは、協定の内容に変更のない限り、所轄労働基準監督署へは、何らの届出も必要ではない。
有害業務(労働基準法第36条1項但書き)
深夜業を含む業務は健康上特に有害な業務として、労働基準法第36条第1項ただし書きの規定によって、36協定によっても、労働時間の延長は1日について2時間を越えることはできないとされている。
時間外、休日及び深夜の割増賃金(労働基準法第37条)
労働基準法第37条第4項に基づく同法施行規則第21条の規定によって、割増賃金の計算の基礎となる賃金には住宅手当は算入されないこととされており、この算入されない住宅手当には、例えば、賃貸住宅の居住者には3万円、持家の居住者には1万円というように、住宅の形態ごとに一律に定額で支給することとされている手当も含まれる。