承諾の期間の定めのある申込み(民法第521条)
民法第521条(承諾の期間の定めのある申込み)
1 承諾の期間を定めてした契約の申込みは、撤回することができない。
2 申込者が前項の申込みに対して同項の期間内に承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う。
<民法第521条のポイント>
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民法第525条(申込者の死亡又は行為能力の喪失)
第97条第2項の規定は、申込者が反対の意思を表示した場合又はその相手方が申込者の死亡若しくは行為能力の喪失の事実を知っていた場合には、適用しない。
民法第97条(隔地者に対する意思表示)
1 隔地者に対する意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。
2 隔地者に対する意思表示は、表意者が通知を発した後に死亡し、又は行為能力を喪失したときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
同時履行の抗弁(民法第533条)
民法第533条(同時履行の抗弁)
「 双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。 」
同時履行の抗弁については、趣旨と要件、効果、留置権との比較を整理しておく必要があります。
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民法第534条(債権者の危険負担)
1 特定物に関する物権の設定又は移転を双務契約の目的とした場合において、その物が債務者の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、その滅失又は損傷は、債権者の負担に帰する。
2 不特定物に関する契約については、第401条第2項の規定によりその物が確定した時から、前項の規定を適用する。
危険負担は、双務契約において債務の一方が債務者の責めに帰することができない事由により履行不能となった場合に、反対債務も消滅するかどうかの問題です。
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第536条(債務者の危険負担等)
1 前二条に規定する場合を除き、当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を有しない。
2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。
民法第536条1項は、危険負担の債務者主義に関する条文です。
1項で、「前二条に規定する場合を除き」とあります。この条文構造からも民法は債務者主義を原則とし、例外的に債権者主義(534条、535条2項、536条2項)を採用しているということができます。
536条1項は、当事者双方に帰責性がなく、履行不能となった場合です。この場合、反対給付を受ける権利を失うことになり、すでに反対給付を受領していた場合には返還義務が生じます。
次に、民法第536条2項は、危険負担の債権者主義に関する条文です。
2項は債権者のめに帰すべき事由によって履行不能となった場合です。この場合、反対債務は存続することになります。
よって、債務者は反対債務の請求権を失いません。
「公平」という観点から、どのようなえケースが債権者主義になり、もしくは債務者主義になるのかを考えながら一度整理しておくと定着しやすいと思います。