専門業務型裁量労働制(労働基準法第38条の3)
専門業務型裁量労働制においては、業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、使用者が、当該業務に従事する労働者に対し具体的指示をしないこと等を労使協定で定めることが要件とされているが、この要件は、就業規則にその旨を明記することにより労使協定の定めに代えることができる。
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解答 ×
(出典)H11年問6B
就業規則にその旨を明記することにより労使協定の定めに代えることはできません。
就業規則は労働者側の同意を必要としません。(反対意見であっても、法定の要件を満たし、意見聴取が行われていれば問題ありません。)
これに対して、労使協定は過半数代表者の同意を必要とします。
労使委員会の決議又は労働時間等設定改善委員会の決議による場合に、労使協定と代替できることと混同しないように注意が必要です。
参考条文
労働基準法第38条の3(専門業務型裁量労働制)
1 使用者が、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めた場合において、労働者を第1号に掲げる業務に就かせたときは、当該労働者は、厚生労働省令で定めるところにより、第2号に掲げる時間労働したものとみなす。
(1)業務の性質上その遂行の方法を大幅に当該業務に従事する労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をすることが困難なものとして厚生労働省令で定める業務のうち、労働者に就かせることとする業務(以下この条において「対象業務」という。)
(2)対象業務に従事する労働者の労働時間として算定される時間
(3)対象業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し、当該対象業務に従事する労働者に対し使用者が具体的な指示をしないこと。
(4)対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に応じた当該労働者の健康及び福祉を確保するための措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。
(5)対象業務に従事する労働者からの苦情の処理に関する措置を当該協定で定めるところにより使用者が講ずること。
(6)前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
2 前条第3項の規定は、前項の協定について準用する。
関連問題
労働基準法第38条の4に規定するいわゆる企画業務型裁量労働制の対象業務に従事する労働者の労働時間については、労使協定で定めた時間労働したものとみなされる。
解答 ×
(出典)H12年問6C
設問は、企画業務型裁量労働制に関する問題です。
よって、「労使協定で定めた時間」ではなく「労使委員会の委員の5分の4以上の多数による決議で定めた時間」労働したものとみなされることになります。
労使協定(1対1)と労使委員会の決議(複数対複数)は、全く異なるものだということをこの機会に確認しておいて下さい。
したがって、設問は誤りです。
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